先日珍しいフライト、旅客機を使って貨物機として飛びました。
自宅にて
金曜日の午後あるベトナム人機長から電話がかかってきました。
「明日僕の代わりにホーチミン~ハノイ往復飛んでくれない?」
仕事の少ない今月。願ってもないお話。もちろん即答 OK!
安請け合いしてよく見ると朝4時離陸・・・3時にまでに出頭しなきゃならんから1時半起床か・・・。
まあ、いいや。ベトナムの雨季は午前のフライトが楽!
天気もいいし、午後はゆっくりできるし。早起きは苦じゃないし。
空港に着いたらまだ真っ暗。セキュリティのお兄ちゃんに開けてもらって誰もいない空港内へ・・・
初めて見ました、人のいないターミナルビル。
ディスパッチルームにて
ディスパッチルームに入りながら「シンチャオ~」って誰もおらんぞ。
「エモォ~~~イ」(ベトナム語で年下に対しての “すみませ~ん”)
眠そうな目をこすりながら出てくるディスパッチャー。
準備してたフライトドキュメントを渡して(ほとんどの書類は iPad にダウンロードですけけどね)また仮眠室へ消えました。
こういうところ、ベトナムらしくて好きです(笑)
コパイ君もまだ来てないな・・・寝坊かな・・・。まぁいいでしょ。
さて、書類をじっくり見てますと、予定乗客数はゼロ人。あ~フェリーフライトか。
ん?なんだその割にはえらい重いぞ。
カーゴ(貨物)フライトだ。
乗客の減ったこのコロナ渦。エアライン各社、客室に荷物を搭載するカーゴフライトで息を繋いでいます。
カーゴは初めてだな・・・。あれ?何するんだっけ?
確か4月頃インフォメーション出てたはず。
ふむふむ・・搭載状況を確認して、CA 2人と貨物の管理者 1人が乗るので脱出用ドアを決めて・・・などなど。
NOTAM(航空情報)を確認してみると・・・着陸予定時間にハノイ滑走路閉鎖してるやん。
定刻で離陸したら上空待機しなきゃならんわ。
眠りについたディスパッチャーを再び「エモォ~~~イ」。
「30分ほど遅らせたいんだけど」と説明するとハノイの本部に連絡。
答えは「フライトプランそのままでいいからキャプテンの好きにして」。
このテキトーさもベトナムの好きなところです(笑)
機内にて
コパイ君も来たし、さて飛行機に行ってびっくり。
いくつかのお客様用のシートが外され荷物がどっさり。それが上の写真です。
ぎっしり10トン以上。宅配会社のチャーターだそうです。
全てがっちり固定されてました。
フライトは快適。お客様乗ってないんで、少々の揺れは気にしなくても大丈夫。
ハノイに到着すると、荷物を降ろして、すぐ帰り便の再搭載。
もちろん人力。沢山のスタッフが協力して搭載してます・・・三密・・・考えないようにしましょう(笑)
私達パイロットは何も出来ないので、せめて暑くなった機内温度を下げてあげましょうとフルコールドにセット。
全然下がりません(涙)。機内温度30℃。
大変な仕事だなと改めて思わされました
感謝
早朝に叩き起こされるディスパッチャー、深夜に又は炎天下のなか搭載をしてくれた地上スタッフの方々、整備その他の方々、本当にいつもありがとうございます。
感謝しながらホーチミンに帰るとします。
天気もいいし、お客様もいないし、最近やってなかったオートランディング(自動着陸)でもしようかな。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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