ジェット機に付いている内緒のプロペラのお話
実はジェット機には内緒のプロペラが付いています。
どこに?飛行場でじっくり旅客機をも見てもプロペラなんて回ってないですよね。
でも、ちゃ~んとお腹の辺りに格納されているのです。
それがこれ・・・
始めまして、RAT (Ram Air Turbine) と申します。
パイロットでもなかなかお会いすることのできない、シャイな可愛い子です。
しかしこの子は最後の砦になる重要な役割を担ってます。
エアバス A320 は3台の発電機が搭載されています。
それぞれのエンジンに1台ずつ、そして尻尾のところにある APU という小型のエンジンに1台。
飛行中は通常 APU は作動していませんので、主エンジンに付いている2台の発電機で作られた電気で機内の全てのシステムを賄っています。
1台だけでも全てのシステムを賄えることはできますが、当然2台の方がそれぞれの付加も下げて安全にも貢献します。
しかし、これらの発電機が全て故障してしまいますと、コクピットの計器も客室の照明も消えてしまい一大事。
そこで、この子の出番!!
電気が無くなったと分かると、自動的にお腹からポコッとでてきて風力発電として回ります。
発電量は最小必要量なので、機長側の計器しか作動しません。
それでも飛行機をコントロールして安全に着陸はできます・・・できるはずです。(シミュレーターでしかやったことないので 笑)
非力な風車ですが頼もしい存在。
しかし風車がゆえに速度が小さくなると発電も止まります。
ですから、着陸して滑走中に発電は止まり、機内は真っ暗になってしまいますが、既に地上に降りてますのでご安心ください(笑)
小柄な可愛い子ですが、会えないということは安全ということ。永遠の片思いでいたいと思います。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
コメント