エアラインパイロットの訓練・審査

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パイロット
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ご質問の中にエアラインパイロットの訓練審査はどんなことするのですか?とありましたのでそれついてお答えします。

国によって多少違いがありますが、1年の間に概ね下記の様な審査があります。

1.定期技能審査
2.路線審査
3.LOFT 訓練
4.定期緊急保安訓練 及ぶ危険物運送に係わる訓練

定期技能審査

英語では“RECURRENT TRAINING AND CHECK” といい、半年に1回2日間に渡りシミュレーターを使用して行います。
機長と副操縦士がペアでそれぞれ2時間づつ計4時間、高価なコンピューター仕掛けの箱の中で汗を流します。

1日目は訓練と称していますがなかなかハードです。
エンジンや与圧装置のなどのシステムの故障や火災、乗客の急病などの状況設定など、意地悪な教官が作ったであろうシナリオが後から後から出てきます。

訓練とは言えここでヘマすると翌日の審査に進めないので、緊張感は審査と何ら変わりません。

2日目は審査です。
パイロットとして技量が審査されます。
基本は離陸直後のエンジントラブル、非精密進入、ゴーアラウンド、精密進入。
この間に1つ2つ他のシステム故障が入り、正確に飛行機がコントロールできるか確認されます。

合否はその場で言い渡されます。

 

路線審査

英語では“Line check” といい、1年に1回 熟練度を確認するために行われます。

路線審査は、乗客を乗せた通常のフライトで実施されます。
審査官がジャンプシートに座り、機長と副操縦士が同時に審査を受ける場合はが殆どですが、人手足りない時などは審査官が隣のシートに座り通常操作をしながら審査をする場合もあります。

トラブル等は殆ど起きませんから、規定の手順を順守して通常運航していればまず大丈夫。
普段からしっかりやっていれば問題ないのですが、普段適当にやっていると、ここで粗が出てしまいことも・・・

基本が大事な試験です。

合否は同じくその場で言い渡されます。

 

LOFT 訓練

上記の「定期技能審査」の中で行われます。

シミュレーターを使用して、日常の運航の中で発生する可能性のある異常状態や緊急状態を模してフライトをします。
発生した問題を協力して解決し着陸するまでの、総合能力向上するための訓練です。
合否はありません。

後ろからビデオで録画されて、必要な時はそれを見ながら確認します。

毎回色々と反省させらる訓練です。

 

定期緊急保安訓練及び、危険物運送に係わる訓練

年1回2日間に渡って、客室乗務員と一緒に行う訓練です。

緊急脱出手順、機内火災時の消火作業、非常用装備品の取り扱い、救急救命等の訓練を行います。

波が発生するプールの中で救命ボートへの乗り方や、海上で流されないようにグループの作り方などもここで訓練します。

また毎年少しずつ変わっていく危険物搭載の知識もここで勉強します。

そして最後にそれらの学科試験受けて、合格すれば訓練終わりです。

 

最後に

他にも英語能力の試験。システムや運航方法が大きく変わったときの座学や試験など盛りだくさん。
いつも試験に追われているような気がしますし、何回受けても嫌なもんです。

しかし、パイロットの訓練審査は定年のラストフライトを向かえるその日まで続きます。
いつまでも受験生。なかなかこんな職業はないのではないでしょうか。

そういえば新人の時に教官に言われたなぁ。「試験が嫌ならパイロットは辞めなさい」と・・・。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

 

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