滅多にない GO-AROUND (ゴーアラウンド)を経験したのでご報告
GO-AROUND とは
GO-AROUND, 日本語では着陸復行。
着陸態勢にあった飛行機が、何らかの理由で安全に着陸できないと判断された為、進入の継続を中断して再び上昇態勢にに移ることです。
もうすぐ着陸するよ~って時に、突然ゴーっとエンジンが出力を上げて、体に嫌~なGがかかり再上昇していくあれです。
どんな時にやるの?
「安全に着陸できないと判断した時です!」と審査時答えると・・・だいたい「だからどんな時よ?」と審査官から睨まれます(笑)。
よくあるのは、霧や強い雨とかで滑走路が見えなかった時。
飛行場や進入するする方法で変わりますが、概ね対地 60メートル辺りまで降下して決定します。
そして強い横風や乱気流で飛行機が正常な姿勢から外れて、復旧できないと判断した時。
これは成田空港でよくありますよね。You Tube でもよく上がってますので、興味ある方はご覧ください。なかなかスリルありますよ(笑)。
たまにあるのが、ほかの飛行機が滑走路上で止まってしまった時。
トラブルや故障等で滑走路を占有されてしますと管制官から指示されます。
あまり大きな声で言えないのが、パイロットの判断・操作ミス。
けして多くはありませんが、人が操縦している以上起こりえる事象です。
他にもありますがだいたいこんなもんです。
パイロットはどんなことするの?
大したことはしませんよ。(細々言えばいろいろやるのですが・・・)
エアバスの場合「GO-AROUND! FLAP!」一言声出して、操縦席の真ん中に鎮座している、パワーレバー(車でいうアクセル)を再前方に押し出すだけです。
自動操縦がオンの状態でしたらそれは上手に上昇してくれます。そして決められたコースを飛んでくれるようにボタンを押します。
手動で操縦しているとパワーレバーを押し出して、計器を見ながら既定の位置まで操縦桿を引いて、失速やオーバースピードしないように気を付けて・・・等々
あたふたやりかねないので、最終進入中に1回は頭の中で模擬 GO-AROUND やってます。
で、今回は何があったの?
離陸する予定だった飛行機が滑走路上で「荷物室のドアが開いた」と報告し、離陸を中止。
滑走路を出るまで時間がかかるので、最終進入中だった私たちに管制官から GO-AROUND の指示が来ました。
新人君の副操縦士があたふたやってましたので、微笑ましく拝見しておりました(笑)。
再上昇した後は、各部点検して、残念料確認して、着陸の準備を再確認して、機内にアナウンスして・・・結構忙しいのです。
考察
毎日乗っていても GO-AROUND は経験することはほとんどありません。
私はこの10年で2回だけ経験しました。
晴れ男の私はお天気の影響での GO-AROUND は経験したことはないのですが、前回は滑走路に大きな穴が開いたというあり得ないような理由でした(笑)。
以前のブログにも書かきましたがパイロットは半年に1回、シミュレーターを使って訓練・審査が行われます。
そのおかげで GO-AROUND のような突発的な出来事にも体が反応するのかもしれませんね。
新人君の上手な操縦を見ながら、オジサン機長は納得するのでした・・・。
来月はまた訓練・審査がある・・・あ~気が重い(笑)
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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